アクサダイレクトをイマドキの大人の女性の皆様に
日もちがよくなった理由は、トマトの細胞に″熟れ腐れ″を遅くする遺伝子組み換えを行ったためだが、そのような働きをもつ遺伝子が存在するのだろうか。
じつは、単一の遺伝子として成入したほうが、狙った遺伝形質を効率よく発現させられるはずだ。
たとえば植物のケースで考えれば、果実を大きくする遺伝子があれば利用価値が高くなり、開花をコントロールする遺伝子があれば商品価値が上がる。
いままでなら、温室栽培や日照時間の制御といった面倒な方法を行っていたところを、遺伝子の利用で露地栽培が可能な品種を開発できるかもしれない。
さらに、太陽光からエネルギーを取り出す光合成に必要な酵素の量を、外来の遺伝子によって増加させることができれば、悪い条件下でも作物の増産がはかれる。
このような要求から開発されたのが、「種類の異なる生物のあいだ、または異なる遺伝子のあいだで、DNAを人工的につなぎあわせる」遺伝子組み換え技術、または組み換えDNA技術と呼ばれる方法である。
熟を促進する酵素を作るものはあるが、成熟を遅くする遺伝子は見つかっていない。
そこで、成熟を促進する遺伝子の働きを抑えてやることで、トマトの成熟を遅らせようと考えたのである。
促進する酵素を作る遺伝子が見つかっているのだから、その遺伝子の働きを抑える遺伝子を人工的に作って送り込んでやれれば、成熟促進酵素の製造を妨害するはずである。
このように、特定の遺伝子の働きを抑え込む別の遺伝子を送り込んで、「物質がない」「~しなくなる」生物や細胞を作る遺伝子組み換え技術を、「アンチセンス法」と呼んでいる。
商品の欠点をカバーして価値を上げる技術として使いやすいため、アンチセンス法の利用範囲は広いのだが、そのメカニズムは次のとおりだ。
「W=Kの二重螺旋」として知られるように、DNAは塩基が並んだ鎖が二重になっていて、まるで梯子か線路を涙じったような形をしている。
DNAの基本単位である塩基は、梯子の横木または線路の枕木の部分にあたり、AとT、CとG、いずれかのペアが表裏の関係になるよう接合した、塩基対と呼ばれる形になっている。
遺伝情報をもっているのは一方の塩基鎖で、この鎖をセンス鎖と呼んでいる。
もう一方の、自分では遺伝情報に直接タッチしないDNA側を、センス鎖の反対側という意味からアンチセンス鎖と呼んでいる。
つまり、センス鎖とアンチセンス鎖のあいだには、ペアの相手として結合しようとする傾向があるのである。
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